ラブストーリーズ The Disappearance of Eleanor Rigby

ネッド・ベンソン監督、脚本。 2014年。

ジェシカ・チャステインジェームズ・マカヴォイ

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 ネタバレ注意!

 この映画は、子供を亡くした夫婦の物語。

むかーし、何かの本で、子供を亡くした夫婦は離婚率が高い、という統計を見た。

 

 原題は「The Disappearance of Eleanor Rigby」、エレノア リグビーの失踪。

 

同じ物語を視点を変えて撮ってある。2作品同時に公開された。

  「The Disappearance of Eleanor Rigby:her」

「ラブストーリーズ、エリナーの愛情」という妻視点の映画と、

「The Disappearance of Eleanor Rigby:him」

「ラブストーリーズ、コナーの涙」という夫視点の映画。

 

 例によって原題を見て、映画の(謎を追う)作りに納得する。

  何故、エリナー(エレノアリグビー)は失踪したのか、その理由と再生の物語になっている。

 

鬱々と暗い映画じゃないよ。

わたしは「エリナーの愛情」を見て「コナーの涙」を見たから、コナーの方はちょっと退屈だった。

 

 「エリナーの愛情」の印象は、チャステイン、イイっ!!!コナー、馬鹿。

 

つうわけで、チャステイン(エリナー役)がムッチャ魅力的!

チャステインの母親役がイザベル・ユペールで、フランスとのハーフという設定だから、だと思うけど、チャステインは小粋なパリジェンヌ風!!

 

 

父親と駅のホームで。 

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 赤毛にとても合う黒っぽいアイシャドーとアイラインのブラックがめっちゃイイっ!!ファッションもかわいい!!

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 わたし、若かったら、絶対、このヘアースタイル、マネしてるわぁ。

 

うん。チャステインは今までの生活から逃げ出して実家に戻る。

教授である父親と、音楽家だったけど子供が生まれてキャリアを捨てた母親から、彼女は復学することを勧められる。 

 チャステインは妊娠して大学を中退していた。

この両親は正しい。自分らしさを取り戻すために、とても良い方法だと思う。

コナーは、彼女が自分らしさを取り戻すことが必要だということがわからない。

「復学したのか?」

まあ、この一言と、彼の表情を見て、あらあ、この人は、わからないんだぁ、とおもわされるわけよ。短いショットなんだけど。

 

チャステインと父親が大学へ通勤通学するために駅で一緒にいる時の様子が、パアーッと日差しに満ちていて、とても好き。

 

終盤、父親から、男親だって苦しみは女親と同じだという話をされる。まあ、かいつまんで言えば。

チャステインの表情がイイんだわぁ。

 

そして、チャステインの母親のユペール!いやはや、印象的過ぎる。

ほぼ、アル中に近い。片時もワイングラスを手放さない。

娘に向かって、あなたを愛しているけど、私は良い母親じゃなかった、と言う。

チャステインの「わかってるんだ」みたいな、複雑で多少の凄みがある顔も、ユペールって楽々とかわしていく…。

頭が良くて、節度も保っている、けれど、彼女自身はほぼ崩壊しかけている、ような母親の役を、呑気にとぼけて飄々と演じている…。

どっひゃー!です。

 

 

ふにゃけた二人

再現するとこんな感じだ。 

 

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 バッタバタ、バタバッタしていたわたしは、夕食のセッティングもヘンテコなまま、箸置きは二つあるし、お刺身の時は、いつもなら小皿にお醤油が入ってい…ない。

 なにしろ、食事をしてから出かけなくちゃならないとRが急に言い出したから、あせったのだ。

 

それでも、ざる蕎麦もサラダライスも完成。「よっしゃー!」と振り返ってみれば、Rはすでに着席している。

 

お醤油もあわててボトルごとテーブルにドン!

 

Rは、酸化を防ぐ密封ボトルの醤油を懸命に傾けている。

「これ、どうやって出すの?」

 

感慨深い。いかにRが家ではなーんにもしないか、こういう時につくづく思い知る。

 

別の日。

Rがアイスキャンディーを食べながらウロウロしている。

「あぁっ!…あ、なんでもないわ。」

Rがしたり顔で聞いてきた。

「隠してあったアイスを食べてると思った?」

わたしは、自分用にたっかぁいアイスを一個買って、意地汚く、奥の方にしまってあった。

高いとはいってもたかが知れている。何故、2個買わなかったのか…。 

 

頭がふにゃけてるよね。

\( ˆoˆ )/  ……。 

 

  

劇場版AIR

出崎統監督、中村誠脚本、ビジュアルアーツ/key原作、監修。2005年。

 Netflix

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 今日は、めっちゃ疲れてる。

ガーデニングのせい、でござる。だから、トムヤムクンを作った。

ぱあぁぁぁっと、元気になりそうやん?!

 

ひよさんのレシピで作ったのだけど、美味しかったぁ!!

ひよさんは、手羽元でダシを取る本格派なのだけど、わたしは、そこは、チキンブイヨンの固形を使った。疲れてるしね…。

 

Rは辛いのが苦手だから、ジャガイモも入れて、赤唐辛子はひとつまみにとどめたし、火を止めるちょい前に入れたプチトマトの酸味がメッサ効果的!ひよさんすごーい!

 

Rも辛い辛いと言いながら、最後には、スープにご飯を投入!

ぺろりとたいらげた。

 

しかしぃ!その後、くちがぁ、くちの中がぁ、と大騒ぎ!

ヨーグルトとアイスクリームを食べてやっとおとなしくなったん。

辛いといえば、カレーだけど、Rはお子様カレーが好きなんだよ…。

 

 

 ひよさんのレシピだよん!

www.lepommier.work

 

 

 

表題の「劇場版AIR」は、まけもけさんのところを読んで、見たくなったんだ。

 

この映画の元になった美少女ゲームもTVアニメも未見。

 

それでね、やっぱ、最後、これは泣きます。

少年、青年かな、と少女が夏に出会って、愛が生まれるわけです。

 

それを町に伝承される翼人の物語とオーバーラップさせながら描いていきます。

翼人というのは、帝に幽閉された翼のある女性なんですが、この物語が、すごくすごく、イイんです。

 

最後の彼女の飛翔は感動しました。

命さえ投げ出す愛と、そして飛翔は彼女にとって、ルーツ、自分であること、生きるということなんだなぁ、と思いました。ちゃんと2つ持ってるんです。

 

現代版の主人公、二人のラストは、伝承物語の輝きに包まれてむかえます。

 

「あなたは、受けとめますか?」と青年は問われるのです。

少女のけなげさに涙したわたしですが、なんと…!男の子というものが、なんとけなげなことか!

男の子は母親に言われるのです、「あなたが救うことができる女性がいる」と。

男の子が持たされる、持つ、このけなげさと大きさ、愛するよりほかにないではありませんか。