ディザスター・アーティスト

おもしろうてやがて悲しきトミー・ウィソーかな。

 Netflix

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 左からグレッグ・セステロとトミー・ウィソー(役名)

 

煮ても焼いても食えない男だろうな、この監督は。そう感じる人が作った事実に基づいたコメディ。トミーという実在する人物が作った映画の、製作過程を映画にしてある。

とってもとってもとっても面白かった。いっぱい笑った。

けれど見終わると、物悲しさが残る。何故なら、トミーが作っている「THE ROOM」という映画は、いわばグレッグに対するラブレター。真面目なロマンチックラブのお話なのだ。ラスト、ついに映画が公開された。その映画に観客は、大いに沸いた。コメディとして大いに笑った。

 

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トミーは二重に笑われている。この映画の中の観客に笑われ、この映画を見ているわたしにも笑われ…。

なにしろ、映画について何も知らないトミーが、脚本、監督、制作、主役、おまけにナルシステックなダイコンで…なにせ雇った映画製作のプロ達に、彼は映画を見たことがないのじゃないか、と陰口を叩かれるのだ。

 

ジェームズ・フランコ監督、主演。グレッグ・セステロとトム・ビゼル原作。2017年。

 

ノンフィクション『The Disaster Artist』を原作としており、史上最低の映画としてカルト的な人気を博している「THE ROOM」の製作過程を描き出した作品である。Wiki

 

taiyakiさんの記事がとても面白かったので見たのだが、わたしは「THE ROOM」は未見。それでも「デザスター・アーティスト」は楽しめた。

ちなみに、この映画が公開された後、トミー は始めからコメディを作るつもりだった、と言っているらしい。

 

taiyaki.hatenadiary.com

 

 

パターソン 一遍の詩、としての映画

 もしかしたら一番好きかも、ジャームッシュ作品の中で。

 Amazon

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ジム・ジャームッシュ監督、脚本。2016年。

アダム・ドライバー、ゴルシフテ・ファラハニ。

 

 ニュージャージー州パターソンでバスの運転手をしているパターソンは、周囲の会話やマッチ箱といった何げない物事に着想を得た詩をノートに書き留めている。シネマトゥデイ

 

何も起こらない。月曜日から日曜日まで、7日間のパターソンの日々がひたすら綴られている。

パターソンが好きだという詩人はウィリアム・カーロス・ウィリアムズ

 

昔、雑誌で見たなぁ『赤い手押し車』。わたしは詩が苦手。若い時に読まされたものが悪かったのか、難解というイメージを持っていた。けれど、その雑誌に載っていた詩は、あれぇ、わたしすきだ、と思ったんだ。

ウィリアム・カーロス・ウィリアムズという詩人はアメリカの巨星で、「ありのままに受け取る。事物には観念がある」というようなことを言ったらしい。記憶が曖昧…。

けれどこの映画を見ると、ジャームッシュは、この有名詩人の理論に沿って映画を作った、と思えてくる。

それは事物の映像。

 

パターソンは日常を、浮かび上がる一コマを、表現せずにおられない。妻の話に耳を傾け、よく笑うパターソンは…あぁ、なんと妻を愛していることだろう。

昔の放浪詩人の様なパターソンはしかし運転手の仕事をし、必ず妻のいるところに帰る。彼はたぶん芸術家なのだろうが、なによりも一般人である。

ラスト、彼は詩のノートを失うが、それは、彼の詩の完成であり、刷新なのだ。

一般人である彼の芸術はそういうものであるのだろう、と思った。

 

そそ。ウィリアム・カーロス・ウィリアムズは「パターソン」という詩を出しているわ。読んでみたいな。

 

 

いとしの捻挫

この時はまだ、余裕だった。 

 足首をくじいて4日目。結局、病院へ行くことにした。時間があったのでこうしてコーヒーを飲んでいる。

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 このカフェは珍しく喫煙ブースがある。ありがたいです。

あ、食べかけで汚いって?そう、この類の写真を撮る習慣がなかったけど、大慌てでやってみたのよ。

「ちょっと、身体ずらして」と騒いでるとこよ。

 

わたしは、足の捻挫ってものを10回くらいはやってるんじゃないかなぁ。捻挫はシップして3週間くらいで治るんだ。

あるとき、1ヶ月が過ぎても腫れが引かないし痛いしで病院へ行ったら骨折してた。

 

今回、捻挫だと思いつつも、嫌な予感があり、心の不協和解消のために、安心したいから、とか宣言して、病院へ…。

 

「骨折してるよ。」と無情の声。

ギブス?みたいなヤツをされてそれが重い。

松葉杖って家じゃ、なんにもできなくなるので、片足でぴょんぴょんやってる。

椅子に座ってジャガイモの皮をむき、ぴょんぴょんして、鍋のとこへ。 

いやー、マジかぁ…。

明日、治ってほしい。