あ。思わずトップにあげちまったけど、この映画では、綾野剛👇も藤原竜也もチロリとしか見られない。
めっさ好きな綾野剛が印象深い店員のチョイ役。
この👇爽やかで飄々とした 藤原竜也もチョイ役。うぅ。無念。
そ。堂々の主役は、50代のおじさんである光石研、右側です。
とっ、親友役の田口トモロヲ。左側。
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石井祐也監督、脚本。2011年。
光石研、田口トモロヲ、森岡龍、吉永淳。
宮田(光石研)は妻を早くに亡くし、男手一つで浪人中の息子と高校3年生になる娘を育ててきたが、家庭ではいつも会話がかみ合わない。Wiki
時世に取り残された、うだつの上がらない中年寡(光石研)は、子供たちから無視され、会話もままならない。 しかし、子供たちが東京の大学に進学することを機に、家族の絆を確かなものにする。
という単純な風景を弱冠28歳の監督は、親子間の断絶、ジェネレーションギャップに焦点を当てながら描いている。
のだがぁっ、わたしは、光石も田口も嫌で嫌で…光石は、ガーガー怒るし、そこ率直にいけばいいじゃん、ウジウジすなあああ。あぁ…顔も見たくない、つう、やな野郎だし、居酒屋での田口ときたら、しつこい!うわぁ、しつこい、あっち行けって感じなんだよ。
彼らは、中学生の頃から、男のダンディズムを目指してきた。
武士は食わねど高楊枝、を思い出すんだけど、これって、やっぱ、貧しくとも気高く生きる、みたいな…精神性が要ポイントだと思うけど、光石は、やせ我慢はするけど、劣等感はあるわ、怒鳴るわで、どこがダンディなのー!って叫びたくなるわけ。
もうどうしようかと思ったけど、結末が気になるので、見続けた。
ところが!ウサギのダンスのあたりから、メキメキ面白くなって、おわってみれば、あらぁ、メッチャ面白かったあ!おまけに元気になる!という大逆転…。
会話がめっさ面白い。
光石の息子と田口が居酒屋でかわす会話。
「子供達が口をきいてくれない」と光石が田口にこぼすものだから、田口さんとしては人肌脱ぐことにするんだ。
そいで光石の息子に言うんだ、「彼はダンディなんだ。君は息子としてそれを理解する義務がある」と。
ところがここで息子はキレる。なぜなら、彼は父に金がないことも父の生き様もわかっていたし、むしろ、父を助けることができない自分に対して忸怩たる思いを抱いていた。
キレた19歳に田口は言う、「そうだね。俺も若い時はそうだったよ」。
最後に分かるのだが、つまり、息子は父親の価値観、ダンディズムを受け継いでる。世代間のギャップは「親父には絡みづらくて」程度のものであり、ギャップというより、光石の性格が悪いせい…。ジェネレーションギャップは、なかった…!わはは。
あと、この映画は、コメディだと思うんだよね。
ただちょっと、この監督の笑いには、必ずペーソスが絡めてある。
たくさんある笑いのツボから、ひとつ言うと、息子が友人の家で食事をご馳走になる。で、母に死なれている息子は、母親のいる風景に感じ入っているわけ。それで帰り際、「お母さんにお礼を言わなくちゃ」と息子が言うと友人が絶妙なテンポで「え。あ、うちのババア?」ってババアを連発する。すごく可笑しい。けど、息子の寂しさが「お母さん、どうもごちそうさまでした!」にまとわりついている…。
冒頭にとてもたいくつな光石の自転車のシーンがある。それがエンディングでもう一度流れた時には、「ミヤタ、遥か後方にいます」という光石の独り言にしみじみと心が動かされる。