絶大双驕マーベラス・ツインズ

 もうね、眠い…。

 

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せいこちゃんのエッジのきいた惚れ惚れする文章に釣られて見ちまった。

いやなに、わたしには自信があった。常識が備わった大人として、徹夜して一気見するとか、そんな馬鹿じゃない。

…あげく一気見 ʕʘ‿ʘ

 

若い頃は徹夜で本を読んだり作業に没頭したりしたもんさ。

けどね、いま、邪気のない日の光が眩しい…。 

 

  Netflix

中国ドラマ、2020年。

フー・イーティエン、チェン・チョーユアン

 

別々の環境で育てられた双子の兄弟のお話し。

 

ドラマの設定が魅力的なんだ。

異なる環境で育てられた双子って設定にわたしは強烈に惹かれたわけだ。

かたや極悪人たちが暮らす里山で、かたや良家の若様として!

 主演の双子役の男優たちは可愛いだけじゃなくて花がある、長丁場のドラマを引っ張る力がある。

 

びっくりしたんだけど、中国の風景って、ファンタジーを撮れる場所もあるんだなぁ。

中国って広いんだなぁ、つくづくそう思ったよ、風景見て。北海道にも探せば、ありそうな場所ではあるけど、ロケに簡単に行けそうもなかったりするかなぁ。

しかし、なんつうか、空気の、が違うよなぁ、とも思う。

 

せいこちゃんのブログ👇

seicolin.hatenablog.com

 

レベッカ/ヒッチコックの共同幻想

かなり 老化してる。わたしのことじゃないよ。いや、わたしはとっくに老化してっけど、フィルム!フィルムがね、老化してた。

 

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 マキシムと新妻。👆

 

フィルムの状態にはすぐ慣れる。めっちゃ面白かったわぁ。 

 

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ヒッチコック監督、セルズニック製作、1940年

ジョーン・フォンテインローレンス・オリヴィエ

 

ヒッチコック、ハリウッドでの第一作目。アカデミー賞、作品賞受賞。

 

英国紳士マキシムと出会ったヒロインは彼の後妻として古城マンダレイに住むことになる…。

 

ヒッチコックをハリウッドに呼び寄せたセルズニックが、この作品に相当口を出したらしい。 ヒッチコックは脚本に参加さてもらってない。

 だから、ボート小屋での一連のシーン、最後の方などは、ヒッチコックが書いていたら、スマートになっていたんだろうと思う。

 

 が、面白いことに、セルズニック(嵐が丘を作った人)とのコラボを余儀なくされたおかげで、この作品は…なんつうか、文芸的な厚みが生まれている。

 

  

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 家政婦長のダンヴァース夫人と怯える新妻。

 

ヒロインは妻を亡くした上流階級の紳士マキシムと出会う。

威圧的な感じの悪い男で、こんなヤツに惚れるなよ、と思う間もなく、彼女は惚れる…わけだ。 

若く無防備で無邪気な女は、彼と結婚して、マンダレイと呼ばれる古城にやってくる。

 幽玄な、時間に閉じ込められたようなマンダレイ館、格式のある数々の調度品、そして家政婦長のダンヴァース夫人。それらに彼女は威圧されていく。

マキシムの亡くなった妻の名がレベッカなのだが、ダンヴァース夫人は、レベッカが結婚した時、一緒にマンダレイに来た付き人だった。

つまり、亡きレベッカは付き人が一緒について来るような名家の出だった。

 

マンダレイ館はかつての女主人であったレベッカの気配に満ちている。というより、レベッカの亡霊に支配されている。吉本隆明の「共同幻想」を持ち出せば、マンダレイの住人たちはレベッカという見えない命令、習慣に縛られていると言える。閉塞した空間から漂いだすのは、湿った記憶であり、ありもしないものに囚われた、もはや妄想なのである。

 

そういう幻想に支配される空間に若い女は入っていく。彼女は追い詰められ、精神も変調をきたしていく。

 若い女の怯えて見開かれた眼がシュールな夢に誘っていくのである。

 

現代人!のわたしとしては、「ったくぅ。覚悟もなしに異なる文化圏に飛び込むなよ!」と立腹するわけだが、若い女は、マキシムの告白でようやっと、自分の誤解に気がつくのだった。

つまり、彼女は、マンダレイの妄想から解き放たれる。

 

マンダレイの空気感はちょっとした現代の縮図だとも見える。

わたしは、法や政治や宗教、慣習といった普段は気にも留めないものの支配下にある。

その社会生活の中では、共有する空気感のようなものがあるのだ。それを吉本隆明共同幻想と言ったのだと思う。そしてマンダレイの空間でもある。

 

共有される空気感のようなものは、夢、幻のごとくだ。

若い女のように、悪い夢、幻から自由になれるのだ。

 

ホンサキさんが書いてらした、娘に性的虐待をしていた父親が行為を認めたにもかかわらず、裁判で無罪になった出来事。

ダメな法律は変えることが出来るのだ。また、法の解釈も本来は多様性を持っているはずでないのか?新しい判例を作ろう!

見えないものに縛られることはないのだ。

自由になれるはずなんだから。

 

 

 ホンサキさんのリンクを貼ります。この記事を読んだ後、いろいろ心配していました。書くことはたいへんな事なので。でも、元気なコメントを読んで安心しました。

www.honsaki.com

 

 

ビフォア・ミッドナイト

 断じてロマンス…ではない。

 

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 イーサン・ホークジュリー・デルピー

 

恋人までの距離」の可愛らしかった二人は、堂々とした中年体型の二人となった…。

 必要あったんかぁ?ジュリーは太っているし、イーサンは筋肉を落としている…。

 さすが役者なので写真ではきまっているけど、違うから。

 

この映画は、ほぼ、二人の会話劇。それも喧嘩。そして、中年体型!

わたしはイーサンが好きだから、面白くみたけどね。ダメな人はまったくダメだと思うよ。

 

 ネタバレ注意!

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リチャード・リンクレイター監督、リンクレイター&イーサン・ホーク&ジュリー・デルピー共同脚本。2013年。

イーサン・ホークジュリー・デルピー

 

「ビフォア・サンライズ恋人までの距離」1995年、「ビフォア・サンセット」2004年の続編にあたる

 

 やっぱ、イーサンっていい男だなぁ。…ちょっと怖いけどね。

 この二人がガンガン言い合いをするんだ。彼女、怯まないんだ。が、感じ良くない…イーサンの演技に負けてるのかもしれない。

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夏休みが終わり、 イーサンは息子を前妻の元へ返す。

現妻のジュリーはキャリアアップについて悩んでいる。

息子に対する イーサンの罪悪感、後悔はジュリーを苛むし、彼女のキャリアアップを彼は喜んでやれない。

こうした2人の状況の変化は日常のリズムを壊し、二人の関係はギクシャクしている。

口論の原因はそうしたことである。

 

彼女のサマードレスの肩紐がはずれ、白い乳房があらわになった。

唯一、ジュリーが魅力的だったシーンだ。

息子から電話がかかってくる。そして口論は佳境に入った。

「もう、愛してないわ」ジュリーは部屋を出ていった。

 

イーサンは、川べりのカフェにいたジュリーを見つけた。

彼は一体どうするのか?

彼は、彼女を口説いた、つまり昔みたいにくどいた。愛の魔法だ。

「君を愛している。俺たちは愛し合っているだろ?」

 

そうなんである。二人にはその愛情の空間だけはまだ残っているのかもしれない。

そしてまちがいなく、その空間を二人は共有出来るのだ。幻かもしれなくても。