VEXED ジャック&ケイト

ハワード・オーヴァーマン原作、制作。2010年、シーズン1は3話。シーズン2は6話。

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 ⬆️ルーシー・パンチとトビー・スティーヴンス

 

 ルーシー・パンチが素晴らしい!

Netflix公式サイトには、たいていジャンルに則った短い説明がある。コメディだのサスペンスだの、だ。

ほいで、今回のは実に的を得ている。

シニカル、ウィットに富む」!!

 

シーズン1は3話構成。ウィットに富んだ会話が二人の間でポンポン交わされる。

このドラマは字幕で見たほうが会話のリズムが面白いと思う。

そうして、ルーシー!ああ、ルーシー!久しぶりに大好きだと思える女性のコメディ役者に出会ったというのに…。

彼女はたった3話で降板!なぜなら、ハリウッドに引っこ抜かれたから…。

 

彼女は、表情を消す。それがなんとも言えない可笑しみを醸し出す。

ウィットであり、間であり、彼女の表情が場を支配する。

 

トビーはなんとあの マギー・スミスの息子。

芸達者な彼は、もっぱらルーシーの引き立て役に回っている。

このドラマは私に言わせれば、ルーシーのためのドラマ!

 

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なのに3話だけとは。

彼女はどこか美人になり損ねた女優さん。だからハリウッドで主役をはれるとは思わない。

英国で大切に育ててもらった方が良かったんじゃないかしらん。

 

まあ、もう 8年も前の話だ。

 

彼女と旦那がセラピストにかかっているシーン。

この泣きのショットでハリウッドはシリアスな役もできると踏んだのか?

 

ルーシーが浮気をした旦那さんをぶん殴る。直径10センチはあろうかというのし棒で彼の両膝を叩いた。

やっぱ、警官だからなのかな?正確に彼の両膝の皿を割ったんだよ。

 

おもしかったよぉ!

 

 

  

プリズナーズ

ドゥニ・ ヴィルヌーヴ監督。2013年。

 

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 本来なら見なかった作品だと思うけど、やなぎちゃんが評を書いていたので見た!

yanagiyashujin.hatenablog.com

 

これは面白かった。重々しくなくて、ミステリー風に綺麗にまとまった作品だった。

 

私は、バットマンのなんだっけ、ダークナイトのようなおっもーい映画をイメージしてたんだ。(この系列の作ひんを2、3本映画館で見てるんだけど、Rが好きで。でも私、嫌いなんだよね、これらの作品。疲れて。)

 

 で、この映画はそのバットマンの替え歌が出てきて、やっぱ「ダークナイト」とかに敬意を払ってると思う。

 

ま、有り体に言えば、こ映画は道徳のジレンマ、正義について、観客の前にさあ、どうする?と問いかけてくるわけで、考えざるを得ない。

 

 小さい娘が誘拐され、その時、現場で目撃された車に乗っていた青年が捕まる。しかし物証がなくて、警察は青年を追求出来ない。

 

そこで、誘拐された娘の父親の選択は、犯人と同じ悪魔になることだった。

青年を誘拐し拷問する。

 

青年が犯人の可能性はある。しかし、無実の可能性もある中、父親は目を覆いたくなる行動を敢行する。

 

…わたしなら、どうするか?

わたしは子供が助かるなら少しの可能性にかけて、悪魔になろうとするかもなあ、と思う。

けれど、悪魔になるのは至難のわざ。だってそうでしょう?簡単に悪人になれると思ったら大間違いだと思う。

ぶん殴られて血を流して泣いている青年を見たら、もう無理でしょ?

 

私は自由主義をぶん投げて、推定無罪を選ぶ。そうして青年の後を付け回したり、資料をたくさん抱えて、警察に日参し、うざがられる。(よく、こういう母親がアメドラに出てくる…。)

このときわたしは、子どもの命を犠牲にしたのだろうか?この映画を見ていると、法を選択するわたしはそのように見える…。

 

悪魔になった父親は、正真正銘の悪魔に負ける。

暗い穴倉で彼は天使が残していった赤い笛を見つけた。

 

 

シュティセル家の人々

オリ・エロン、 イェホナタン・インダースキー制作、原作。2013年〜。

 Netflix(中東TV)

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イスラエルエルサレム、そのっ一角にユダヤ教の中でも厳格な超正統派の人々が暮らす地区がある。

 そこで繰り広げられるユーモラスなホームドラマである。(TVドラマ)

 

わたしは、イスラエルってどういう国なんだろうと思っていて、中東の人々やヨーロッパ系の人々やら色々いるでしょ?それで、まあ、喜んで見てみた。

んで、面白い!ただ、面白いだけなら、満足して、1、2話見てやめてたかもなんだけど、これがね、ほぼニートが主演だった!(下の右側の人)⬇️

 

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彼は神学校を卒業して正業に着かず、少し仕事してはやめてぶらぶらしてる感じ。

彼の仲間もたぶん似た状況だと思われ、だってしょっ中、カフェみたいなところにたむろしてっからね。

 

でも、日本のニートとは違って明るい!

 きっと、信仰があるからなんだと思うけど、いやこれがね、彼らはなんだか嘆きの森みたいなトコへ三三五五、向かうわけ。

 

その嘆きの森みたいなとこで、みんな大声で祈ったり、友人と話したり、叫んだりしてる。

ある者は、木に抱きつき相談している。自分の車は古くて新しいのが欲しい。きっとこのまま乗っていると壊れると思う、とかブツブツ言ってる。

また、ある者は祈りながら、「あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ーーーーー!」とか叫んでる…。

「ぎゃあああああ」とか「ぶおおおおおおおお」とかうるさい。

(……青春だなあ、とおいらは思う。)

 

まっ、そんな中、主人公と友人は木陰に座って話している。

「そっか、その女性から断れたのか」

「詩を読もうか?」

友人はキルケゴールの詩なんぞを読む。主人公は「美しいなあ」とか言う。

 

さらに叫び声がうるさい!

 

「おい、あの声、〇〇じゃないか?」

 

崖下には〇〇が落っこちてた。

 

「さっきから叫んでるのに、馬鹿どもが叫んでるから、わかってもらえなくて」と〇〇は言うのでした。

 

と、ま、彼らは内面に澱など溜まらない、発散型明るいニートなわけ。

 

 

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上の女性(未亡人)に一目惚れした主人公 。

これがどういうわけか、断られるの。でもって、くぅ…切ないんだ。

彼女の声を携帯に録音して、主人公が聴きながら夜道を歩いてくんだけど、その時、可愛らしくちょっとだけちょっとだけエモな音楽が静かに流れ…切なさが全開(>_<)

 

その他にも、主人公のお姉さんは五人のこどもがいるんだけど、旦那さんが、異教徒の女と逃げちゃうんだ。

これも面白いエピソードなんだ。

 

 そそ、若者の流行というべきか、主人公もいつも絵を描いてる。

臨時教師を辞めた彼は、今度は、ゴーストライターならぬゴースト絵描きにスカウトされる…。

 

以上、4話まで見たとこ。