青春の記録と愛の迷宮

 一重の目が美しくてセクシーな男たちに、わたしは目を奪われてしまう。

切れ長の目のせいなのか、洗練されているからなのか、そういう顔の流行りに乗っけられているだけなのかは、わからない。とても韓国の男優さんには多いんだ。ところがボゴムは丸くて大きな目をしている。

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Netflix2020年、パク・ボゴム主演。

 

 印象が薄かったボゴムは、このドラマでわたしの目をまん丸にした。ドラマでの存在感がすごい。

 

このドラマは、ボゴム自身をモデルにしているなぁ、と思う。

実際に彼は、世界金融危機のときが10代で、彼の家は借金を抱えていた。 彼の父親は14歳のボゴムを保証人にしていたらしい。

この頃の韓国は経済が悪化して、中小企業などの打撃が大きかった、という様なニュースを見た記憶がある。

ボゴムは高校2年の時に、ピアノの弾き語りの動画を撮って、芸能プロダクションに売り込んだ。「自分が家族の大黒柱になろう、と思った」そうだ。

事務所が彼を役者で売り出すまで、彼はモデルをしていた。結局彼は、借金を返し、家族に家も買った。

彼は、18歳から25、6歳までを壮絶に駆け抜けた。その後一年くらい休んで、大学もきちんと卒業している。

 

以上が、検索で得られた(ドラマ発表以前の)ボゴムの情報。

こうした情報をいろいろ脚色したものがこのドラマなのじゃないかと、思った。

 

ドラマの前半は、緊張感があって見応えがあった。

が…せっかくソダムを使っているのに、活かせていない。

頭の回転が早くて、「ある愛の詩」のアリ・マッグローみたいだと、最初は思ったのに、残念。ボゴムとソダムに焦点を絞れば名作になったかも…。

そそ、最後の父親の微笑みには、負けた…わたしはずっと彼が嫌いだったけど、やられた。

 

 

 

文句なしに面白かった!硬派な刑事ドラマ!👇

しかし、邦題は「愛の迷宮」でっす!

 

 「愛の迷宮」

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2017年、チェ・ジニョク(主人公の刑事役)、イ・ユヨン(犯罪心理学者役)、ユン・ヒョンミン(エリート刑事役)。
 

でも、このイカレタ邦題、わからないでもない。

このドラマの主人公(刑事)の底流にあるのは、被害者家族に対する思いやり、愛というものだし、新妻への愛情なのだから。

もし、そこに目がいっていたなら、散々迷った挙句、題材は迷宮入りの連続殺人事件だし、愛の迷宮としちゃったのも、わかるような気がしてくる。…(๑╹ω╹๑ )

 

原題は「トンネル」。実際の連続殺人事件をモデルにしているらしい。そして最近、DNA鑑定で犯人が捕まったらしい。

主人公の刑事はトンネルの中で、30年後の未来にタイムスリップする。

トンネルを抜けるとDNA鑑定、トンネルを抜けるとタイムスリップ。

そして、ソシオパスである殺人者の神への問いの答えでもある。

クリスチャンである殺人者は神に問う、コレで正しいですか?と。

殺人者がトンネルの中で主人公の刑事を殺しそうになるたび、刑事はタイムスリップする。

それは神の答え…としか言いようがない。

まぁ、トンネルが要だし、含みを思うに、原題は色々な意味を掛けてあるなぁ、と思う。

 

 「時空刑事1973」という英国ドラマでは、現代のエリート警視が73年代にタイムスリップする。73年の刑事たちの粗暴さに辟易するんだが、とても可笑しかった。

 「愛の迷宮」ではその逆バージョンで、86年代の携帯電話も防犯カメラも知らない刑事が現代に飛ばされる。

 飛ばされた先には、ちゃんと、警察大学出のエリート刑事がいる。ププ(๑>◡<๑)

 

あとは、「クリミナルマインド」の風味。

 

とっても面白いお芝居に共通して言えるのは、キャストが隅々までイイ味出していること。

特に犯罪心理学者の女性がすごく良かったよ。

 

 

中国の美意識

衝撃を受けた。もちろん、わたしが知らなかっただけだ、ということは言える。

 

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☝️瑯琊榜、梅長蘇の家。

中国の文化的な美、なんというか伝統的な美、建築物とか調度品とか衣装とか町並みとか、が美しい!中国の歴史ドラマを見ていると。

翻って思うに、一体、今の中国のデザイン界とか美術界とかは、世界でどういう評価になっているの?と思う。

 

ふと気がつけば、わたしの好きな京都は長安をモデルにしてたらしいと思うし、日本の伝統的な美といったものは、中国の影響をうけているだろうし、つまり中国って、おやびん、じゃないか!

西洋がローマ、ギリシャ文化をかざすとしたら、アジアって、中国って国があったんだと、わたしは、今更ながら衝撃を受けたんだ…。

中国ドラマを見ながら、コレがナマモノ(本場)の美意識か!と思うにつけ、わたしは震えがくる。

 

「瑯琊榜」というドラマに出てくる建物は、ミニマリズムぽいシンプルな作りで質実剛健といった風情。そこに、舞台美術の担当者(だと思う)は薄く助ける簾のようなロールカーテンのようなものを下げている。

堅固な構造の建物に繊細な透明感を与えていて、とてもとても美しい。

 

古代、ん?唐の時代などの建物は自然も生活空間として、建物とひと続きに考えられている。

目新しい考え方ではないが、それが徹底しているんだ、時代劇ドラマを見ていると。

「扶揺」「白華の姫」などの建物と空間の作りも見ていて楽しくってしかたない。

 

現代の技術やデザインを勉強した人たちが作り上げているのだろうが、もんすごい底力…伝統文化の奥深さってやつでしょうか?なんか、すごいんだ。

文化革命の時に伝統的なものはずいぶん失われたと聞くけど、どうなってるんだろうなぁ。

 

 

2度目の二十歳、女子的生活

わたしは 二十歳には絶対戻りたくなかった。

 

 「2度目の二十歳

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2015年、ソ・ヒョンギョン脚本、チェ・ジウ主演。

 

つうわけで!スルーしていたドラマ。ところがびっくり、チェジウが最高にイイのだ。

 

このドラマは、ファンタジーでもタイムスリップ物でもない。

離婚を迫られている38歳の専業主婦が大学に合格する、物語はそこから始まる。

 

チェジウは夫の支配下にあり、家庭、家族が彼女の全てだった。

一昔前には、夫が神のような存在だった女性たちがたくさんいたはず。

彼女たちはときには、自分を見失ってしまうだろう。

 

そういう古い物語を新鮮で軽妙なタッチで描いている。軽妙さの源は、チェジウのキャラ作り、特に泣きかたにある。

離婚を突きつけられ、普通は修羅場になるシーンで、オバサンであるチェジウが子供のように手放しで泣く。

この子供のような泣きかたが、チェジウの成熟の度合いなのだ。

彼女は高校を中退して結婚した。その頃の彼女の夢はダンサー。

大学に入学して、初めて彼女は夢だったダンスの舞台に立った。

誰もいなくなった舞台にチェジウが一人佇んでいる。

子供のように泣き始めた彼女に、高校生の時の溌剌とした少女が重なっていく。

チェジウがやっと一人の女として自律し始めた象徴的な場面。

 

ともかくわたしは面白かった、このドラマ。

チェジウは冬ソナでアジアを席巻した女優さん。なるほど、と思う、大きな魅力のある女優さんだったんだな、と改めて思った。

わたし、ペ・ヨンジュンばっか見てたから気がつかなかったのねぇ。

 

 

 

女子的生活

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 NHK2018年、志尊淳の主演。坂木司の原作。

 

写真の女性は志尊淳くん。☝️ 

彼はトランスジェンダー

彼、というか彼女の顔の表情が、今まで見たことがないほど魅力的!だった、わたしには。

とくに、リッチなお嬢様の婚約者なる登場人物に罵倒されるシーン。その時の彼女の表情が好き。感情の揺れをあまり出さず、目が語る、みたいな表情。

 

彼女の貌があまりにもあまりにも良かった。とても品のある貌。

 

 

 

 

開封府〜北宋を包む青い天

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 2017年の中国ドラマ。☝️包拯。

 

このドラマの主役、包拯は中国ではとても有名な名裁判官と言われる人。

北宋の時代には、実際に官僚たちの横暴や横領が蔓延っていた。

腐り切った権力者たちに立ち向かった英雄として、包拯さんは庶民に人気があったらしい。

京劇などで憂さを晴らす庶民たちが喝采を送ったのが水滸伝や包拯さんの物語だったのじゃないかと、思う…。

 

面白いのは、サバン的な天才としてキャラを作っているところ。

後半、だんだん、普通のコミュニケーションを取るようになっていくのは、成長ということなのかな?

 

そしてもちろん、中国ドラマなので、お話は抜群に面白いです。