ドリーム・ガーデン

モンティ・ドン 2017年、

 Netflix

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「あなたがリタイヤしたら、一緒にガーディニングしようね」

 「い・や・だ」

 

…なんとRは文字通り、一語ずつ区切って発音しました。

 何故か、わたしは思い込んでいたんです、Rは一緒にガーディニングをやりたいんだと。

 

というわけで……今年の庭はわたしにほっとかれて酷い有様で、おまけにカサブランカの処理をし忘れていて、大雪が降ってしまいました。

 なら、手のかからない庭に改造していくべし、つうことで英国で一番人気のあるガーディナー、モンティ・ドンの「ドリーム・ガーディン」をなんとなく眺めていたら、

 

これが、むっちゃ面白い!

 

 1話完結で、モンティが2件の荒れ放題の庭を訪問します。

持ち主たちは作りたいと考えている夢の庭についてモンティの見識を拝聴し、それぞれ半年かけて、自分たちで作業をしていきます。もちろん最後は完成した庭のお披露目です。

 

面白そうな案件を選んで見たので、あちこち飛び飛びで見ましたが、見ながら、「バグダット・カフェ」(1987年)という映画を思い出しました。

 

 この有名な映画は、砂漠にポツンと立つ荒れ果てたカフェにドイツ女がやって来て、ひたすら黙々と働き始めます。汚ったないカフェは彼女の手によってピカピカに磨き上げられ、カフェの主人たちを巻き込んで、創造と再生の物語が始まります。

 

「ドリーム・ガーディン」も同じなんですね。荒れ放題の庭に英雄視されているモンティがやって来て庭の持ち主たちに話をするところから、彼らの庭の創造と再生が始まります。

 

太った中年のドイツ女はグレートマザーのようであり、モンティは英雄、プロメテウスのよう。

彼らは人々の心に力を与える者なのではないか、と思います。

こうした無意識的な神話の元型像を持った構造は、遥か昔から人の心を掴んできた、と思った次第です…。

 

 

 …モンティってね、むちゃくちゃ、もう魅力的!