小野寺の弟・小野寺の姉

ずいぶん前に、向井理めあてで見た映画。

 

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向井理は「ハチミツとクローバー」に出ていた時とっても気に入った役者さん。

片思いの役だったんだけど、地味で目立たないんだけど、目を凝らしてよっく見ると、いいなあ、と思った人。その後、あっという間に存在感バリバリになって人気者になったけど。

 

この映画は、結構歳の行った姉弟が一緒に暮らしていて、たいしたことは何も起こらない。まあ、ふたりの恋愛模様は描かれるけど、やっぱり、平凡な二人の暮らし、という映画。

 

向井理は、ふんわりした雰囲気をまとっていてとてもイイ!

 

片桐はいり片桐はいりしてた。でも、「ああ…そうなるって言ったでしょ」とか思いながら見てるうち、片桐はいりにガッツリ泣かされる。

 

 

見終わってみると、「イイんだ、肯定してイイんだ」、そんな気分をもたらす映画だった…。

 

わたしってばかだなあ。(いいじゃないそれで!そいで、肯定のハンコ、ペタン)

心配だなあ。(だいじょうぶ、OKだから。肯定のハンコ、ペンタ)って塩梅。

 

 

で、一体、この脚本を書いたのは何者?とか思うわけで、調べた。

西田征史って人で、「怪物くん」を書いた人なのね。(大野智の「パパあ!」がツボだった)。

この映画は監督、脚本の両方をやっていた。

で、彼のイタンビューをみっけ。

「いろんな生き方があって良いんだ」と言いたかった、と。(やっぱしぃ)

で、これを書いたきっかけは、50歳の引きこもりが70歳の母を殺した事件だった。彼曰く、「一見、異様な事件ですが、20年前には、30歳と50歳なわけで、そこには普通の暮らしがあったのじゃないか?」と。

 

 

 

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二人がうまくいって、みんなで暮らせたらいいね。

おしまい。

 

 

3パーセント」シーズン2

「3パーセント」シーズン2、全10話 です。

 

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 レンタルした映画が失敗だった、と気づくときは大抵見始めてすぐです。

 わたしは「うわあ、クソだ…。」と思った映画は、迷わず早送りしてラストの10分くらい見ておしまいにします。

 

あと、次回が気になって安眠出来ない!TVドラマってあるでしょ?みんなどーしてるのかなあ?

 

わたしは、最終話を見ます…。

 

 

…さて、3話見終わって、最終話を見てしまった「3パーセント」の感想です。(残りの回は逆から見た。9、8、7…って)。

シリーズ1のおさらいから。

未来世界。大陸の貧民街に大勢がひしめき合って暮らしています。

海の向こうには島があり、そこはユートピアです。

大陸の人々は、一生に一度、選抜プロセスを受けることができ、成功率3%というサバイバルゲームを勝ち抜いた人だけが島に行けます。

 シーズン1はその過酷なサバイバルを描いていました。

 

シーズン2では、島へ行く事を選択した2人と、大陸に残る決断をした2人の計4人がメインとなり、島と大陸が舞台となってお話が展開します。

ここに選抜プロセスを潰そうとしている抵抗勢力のコーザというグループが絡んできます。

各キャラクターの背景エピソードも充実しているし、島の秘密もきっちり明らかになるし、緊迫感のある物語でした。

 

 車椅子のフェルナンド役の俳優さんが、デンゼル・ワシントンに似ていると思うんだよなあ。

シーズン1のときは別に思わなかったんだけど。

 

でもって、フェルナンドって心が広くていいヤツなんだけど、なんつうか…いっつも女に人生狂わされる、というか…なんかなあ、それでいいんか、ねえ? 

 

 

「ヒューマンズ」とルソー

 「ヒューマンズ」シーズン2の後半はアレゴリーに満ちています。

 

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 ⬆️ニスカ(シンス=ロボット)はやっぱ最強でした!

 

ヘスターが出るようになって、人間との対立が鮮明化し、がぜん物語が面白くなりました。

異質な者との共存と闘いの物語です。

 

 

 

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 へスター(シンス)

 

へスターは平気で人間を殺します。

彼女は劣悪な環境で働いていました。その彼女が意識を持った時、不安に怯える彼女と接触したのがレオ(シンスと人間のハーフ)です。

レオには夢がありました。シンスの解放と平和なシンスの暮らしです。

 

 へスターは言ってみれば、その夢に心酔してしまったのです。それが彼女の目標となりました。ならば、いまここにいるこの追手(人間の斥候)を殺すべきである、シンスの目標を阻止するこの追手は死ぬべきである、彼女はそう考えます。

 

レオはへスターを上手く翻意させることができません。へスターの怒りを解くことができません。

 

アーレントがルソーを叩かざるを得なかった理由が身にしみます…。

 

わたし自身もそう思ってしまうのですが、人間は根本的には自由で平等な存在であると。その時、劣悪な環境に居たならば、当然、怒りもわくでしょう。

 

しかし、元々、不平等で自由じゃない、と考えたならどうでしょう?

 

へスターに宿るのは、シンスの目的のために何かをしなければいけない、という意志かもしれません。

自由や平等を築いていくのだという意志、努力や工夫や、簡単に暴力に結びつきかねない怒りではなく…。

 

 (このドラマのへスターはピュアにも孤独にも描かれていませんが、もし…そういう描き方をされていたらわたしはすっごくへスターに同情してただろうなあ、と思います…。)

 

 

 

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 カレンとピート(シンスと人間)

 

カレン(シンス)とピート(人間)という中年のカップルは愛し合ってしまいます。

カレンは人間に歩み寄ろうとし、ピートはシンスに歩み寄ります。

二人に焦点が当たる7話目は切ない…です。

 

 

  

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 オディ(シンス)

 

オディはへスターと正反対の存在です。意識を持つ前のへスターは、彼の持ち主であった博士に我が子のように愛されていました。

 

博士が死んだ後、壊された彼を天才少女のマディが直し、意識も持たせます。

しかしオディは生きる意味がわかりません。亡き博士が喜んだであろう人の役に立つ事をしようとします。

 

寄る辺ない彼がさまよう姿は、哀れで…。悲しかったです。