イテテ…

 昼下がり、庭で缶ビールをぐびぐびと飲んだ。

 …誰か、いいな、って言った?

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 (裏庭のタンポポ。やっと春が来た!)

 

 さっきまで私は、女性用の芝刈り機をぶら下げて、ぶいんぶいんと芝刈りをして、刈り取った草を竹箒で集め、ゴミ袋に入れておった。

黒マスクに目深い帽子、首も足も全部、覆った重装備!

…あぢぃ。

 

ビール、美味しい。顔を仰向けると、何処までも青い空。木々は少しずつ緑が芽吹いている。

風が爽やかにふきわたる。

 

 

去年、わたしは大失敗をして、庭木を7本ほど、ダメにしてしまった!

冬には全てが雪に埋もれるから、冬囲いはしないけど、せめて、庭木にマルチングをしてやる。

いつもは、腐葉土を株元にかけてやるんだけど、去年は、バーク堆肥が優れている、という記事を読み、即実行。

 

あのね、バーク堆肥って、クッソ重いんだ。

腕をプルプルふるわせ、引きずりながら、みんなにかけてやったさ。なのに合わなかった庭木7本…。

 

今年の春に、枯れた彼らをうんしょうんしょと掘り起こし、無理なやつは、ノコギリで切った。

 

それで、イチイの苗木とシベリア桜の苗木を植えた。

 

取り除いた木々も、マサカリで割って、ゴミ袋へ。

 

わたしは、藤棚の藤の選定も松の剪定もやっちゃう。

初めのうちは、ハシゴの上で、足が震えてた。

しかし、慣れってすごくて、いまじゃあ、ハシゴがぐらついていても、これくらいなら大丈夫とか、わかる。平気で登る。

 

ガーデニングって重労働なんだよ。 次の日の筋肉痛が物語る。

いって、いてて。

 

 

 

怪物はささやく

 フアン・アントニオ・バヨナ監督。パトリック・ネス原作・脚本。2016年。

出演フェリシティ・ジョーンズシガニー・ウィーバー、ルイス・マクドゥーガルリーアム・ニーソン

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 「行かないで…」少年は瀕死の母親に抱きついて言った。

慈悲深いリーアムニーソンの声があなたに語りかける。「こうして、やっと少年は母親を手放したんだ」

 

むかーし見た映画の少年が心に残っている。

彼は、病気で死にゆく母親に大変怒っていて、母親が手を伸ばして「お前が私を愛しているって知ってるわ」と抱きしめようとするのだが、彼は怒りを母に向けたまま、手を振り払う。

長いこと、わたしは彼は一体立ち直れたんだろうか、と密かに危惧していたんだ。(アホだってね。)

 

つまり、少年(12歳くらいの頃の?)、子供にとって親の死は受け入れられない事で、乗り越えるのはたいへんだってことなんだ。

 

ネスという人がこの題材について児童書を書いて、カーネギー賞を受賞した。それを映像センスがめっちゃイイ監督が、スゲー、キャストを揃えて映画化した。

 この物語の構成はあまりに見事で唸るしかない。

 

 

映画の冒頭、怒りと鬱屈を抱えた少年が映る。

彼は、イチイの木の怪物から3つのお話をされるのだ。

そのお話は、まだ、子供には早すぎるような内容で、悪は一概に悪でないし、善も一概に善ではない、2つ目の牧師の話は、オトナななはずのわたしにも難しい話だった…。

 

実際の現実と交差しながら、怪物とのやりとりがなされ、少年の心をハダカにしてゆく。

ラスト、彼が罪悪感を吐き出せたのも、怪物のお話のおかげ。 

 

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少年が困難を乗り越える話でもあり、母の溢れる思いの話でもある。

 

 ラスト、少年を抱きしめた母が怪物を見遣る眼差しは印象に残る。

また会えたわね、と言っているようでもあり、ありがとう、と言っているようでもあった…。

 

少年が鉛筆で四角を描く。絵を描く。その接写が心地よい。

絵を描いている時の感覚、紙の上に現れる線に感じる心地良さ、それがわたしによみがえってくる。

 

 

 

パラダイス・アーミー

40年ほど前の映画。原題は「ストライプス」、星条旗や軍服の階級章などに引っ掛けているのかな?

Netflix   アイヴァン・ライトマン監督、1981年。ライミスは脚本も担当。

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 軍に入隊したマーレイとライミス。

 

イトマン監督は、この作品の後、ダン・エイクロイドの脚本で「ゴーストバスターズ」を撮ることになる。

  

あらすじ 

 タクシー運転手ジョン(ビル・マーレイ)は、親友で教師のラッセル(ハロルド・ライミス)と、テレビのCMに導かれ、3食と衣服付きの陸軍に入隊する。

そこでは、肥満防止のために入ったオックス(ジョン・キャンディ)をはじめ様々な人々と出会うが…。wiki

 

とても楽しくて、風俗に懐かしさを感じたコメディ映画! 

当然ながら難解さは皆無で、わたしは(余韻のせいで)ニタつきながらネットの感想を見た。 

わけわかんない、何がしたいの」という感想が多数…。

この映画、そんなに時代背景の文脈に依存してるかあ!?…がしかし、40年という歳月はそういうもんかな…。

 

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80年代のアメリカというのは、経済は陰りを見せ始め、ベトナム戦争以来、自信を失ってしまった、と言われていた。…はず。

失業率も高く、まだ、東西の冷戦は緊迫感ありありで続いていたし、軍事予算もアップさせ続けていた。…はず。

そのようなアメリカで、マーレイやエイクロイドといったコメディアンたちが一世を風靡していた、というのは面白いなぁ、と思う。

日本はバブル期に入る頃だけど、ビートたけしタモリ、さんまというようなコメディアンたちが喝采を浴びていた時期なんだよねえ。

なにか面白いなあ、と思うよ。(こう、こぞって人々が笑いを求めた、というのがね。)

 

 

 左のショーン・ヤングは「ブレードランナー」のレプリカントをやった人。

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マーレイは、相変わらずシラけていて、皮肉屋で、そのノリで物語を牽引していく。

けれど、決して、陸軍をおちょくってはいない。 トンデモなくアホな大尉はでてくるが。

 

投げやりでいい加減なマーレイ!さあ、どうなる?と思っていたら、なんと、マーレイは、儀式のえーと、捧げ銃、みたいなデモンストレーションをみんなに練習させ、(なにせ、ダメダメなヤツばっか揃っている)、完成させちゃう!スゲー。

おまけに、最後、みんなを敵地に乗り込んで助けちゃう!

 

よって、ラストでは、ダメなヤツたちがちょっぴり自信を取り戻し、居場所をみつけるのだ。

 

どちらかというと、爆笑ではなくて、ニマニマするコメディなのよ。

入隊することにしたマーレイが腕立て伏せをやろうとして屈み込む。

画面からボキボキって音がして、骨が鳴る音みたいだなあ、と思っていたら、ライミスが「骨が鳴ってるやん」と言う。ね?ニマニマするしょ?

 

アホ大尉が望遠鏡で女の子たちのシャワーをのぞいている。

上官に声をかけられ、彼は思わず、望遠鏡から手を離す。

望遠鏡は虚しく窓の外に落っこちる。ね?ニマニマ。