マネー・ピット、コメディアンとしてのトムハンクス

リチャード・ ベンジャミン監督、スティーブン・スピルバーグ製作指揮。

 Netflixトム・ハンクスシェリー・ロング。1986年。

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あらすじ 

 欠陥だらけの激安物件を購入した若夫婦が様々な悪夢に直面する様をユーモラスかつコミカルに描いている。wiki

 

恋のじゃま者」というコメディを見て、わたしは、トムハンクスに惚れた。

彼の生涯の特徴になる?「良い人」である、という滲みでる雰囲気が遺憾なく生かされた作品。

(彼のような成功した役者で極悪人役が出来ない、という人をわたしは初めて見た。ほら、「クラウドアトラス」を思い出していただければ、ね?ステレオタイプの悪役を辛うじて頑張ってるけど、絶句したもんね、わたし。) 

(蛇足ですが、トムはリンカーン大統領の遠縁にあたり、リンカーンの母親の兄弟が彼の祖先です。)

 

この「マネー・ピット」という映画の時、トムはバリバリの若手コメディアンでサタデーナイトライブ」にも出ていたり、コメディ映画に数本出た、駆け出し、といっていいかな。

そして、プロデューサーがスピルバーグ。彼は、初期の頃からトムが気に入っていたんだなあ。

 

でもって、繰り返しますが、トム・ハンクスはコメディアン出身です

(だってさ、トムのコメディを初めて見た、とかのネットの感想をみちゃったもんだから。)

 

この前の「パラダイスアーミー」の時、ネット感想を見て思ったんだけど、アメリカのアカデミー賞でコメディが無視されてきたのは、もしかしたら、コメディ特有の社会風刺、揶揄、的なもののせいで、文脈依存(時代背景を知らないとわからないとこが出てくる)になるからかなあ、とか、ふと思ったわけで、いや、ちゃうちゃう、マネーピットなんかは、大丈夫なんじゃないか、とか思っていたら、なんと、Netflixが「マネーピット」をアップしていた!

 

で、早速見た、その結論。ドタバタ喜劇ってのは、時代を問わないなあ、ってのと、残念ながら、知っていれば、もっと楽しめる部分が、ちっと…だけあったわぁ。

 

 

キッチンで 散々な目に合うトム!

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 7、80年代というのは、性の革命がかしましかった頃で、いわゆる性の解放ってやつで、古い因習に囚われない性的関係がクローズアップされたりしたわけで。

 

この映画でも、同棲して間もない二人が家を買ったり、恋人が浮気しても、トムが許したり、と、ま、コメディだし、と納めたとこがあったんじゃござんせんか?

これは、性革命の流れを意識した、ちょいと粋な二人の関係なんですよ。

 

また、得体の知れない工務店の人々も、

安い工務店に多分、移民とか入ってきた頃なんじゃないかなあ?

日本では考えられない工務店の仕事のルーズさや労働者の雑多さ、ということが起こっていたんだろうと思う。

それをこの映画は、面白おかしく描いている。

 

 

あと、やっぱり、スピルバーグだなあ、と思ったのは、階段のシーン。

スペクタルやん!ほぼ。大変だったろうなあ、あの仕掛けを作るのにどれくらいかかったんだろう?

バスタブのシーン、キッチンのシーン、ヤグラのシーン。それと、わたしが笑いすぎて涙まで出て、画面がよく見えなくなった絨毯のシーン!!

これ、全部、トムが体張ってるんだけど、表情がね、可愛いのよ!動作が可愛いのよ!

トムハンクスはめっちゃ可愛いコメディアンだったの!

 

工務店の件は、実際に、原案者か誰かが経験したことだと推理するよ。

わたしのツボだった絨毯のシーンは、この映画を、リフォームの悪夢を、ある意味で象徴しているよ。

ドツボにはまって文字通り、身動きできない!

おまけにお金を勘定している時に…ぎゃはは。(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾