デヴィッド・リンチ監督(2001年)
曲がりくねった山道、車のヘッドライトに浮かび上がる白線が途中で消えている。
漆黒の闇が心の深層へと導いていく。
エピソードは襞のように連なり、わたしはたくさん夢を見た。
…以上がこの映画の感想です。
つうわけにもいかないか…。
心に残る映像があります。
ナオミ・ワッツがテーブル上座に座る愛する彼女から意地悪をされて、頭をふった瞬間に流れ落ちる一筋の涙。あれは絶対に一筋でないといけない。あの美しさは、マルホランドドライブの頂上から見える宝石のようなハリウッドの夜景に勝るとも劣らない。
彼女の涙は夜景に溶け込み、オープニングのタンゴを踊る人々に紛れ込み、一夜のハリウッドの喧騒として消えていく。
それは、彼女の愛の終わり、人生の夢の終わり。