この世界の片隅に、その2

昨日の続きです。 

 

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スズは身を乗り出すようにして手を振っています。遠くに見えるスズの両親と妹も手を振っています。結婚式が済んだのでスズを残して彼らは帰っていきます。

 

(結婚式の最中、スズの夫になる周作が、膝の上でギュウッと拳を握りしめていて、「え…」と思ったんだけど、無事、2人は結ばれました。手帳の四角い切り後も意味深に写っていました。これらは、実はリンさんのカットされたエピソードに繋がるはずだったんだそうです。)

 

次の日の朝、5時、スズは朝ごはんの支度をしています。とても可愛いんです。

つまり、スズは、結婚の意味するところを完全に理解していました。

結婚は、家政婦としての仕事、子供を産むことなのである、と。彼女は屈託なく、いそいそと食事を作っています。

 

現代女性とスズの間に大きな断絶があります。

 現代女性にこの状況はちょっと耐えられないと思います、つうか、わたしなら、泣きながら、両親の後を追っかけますね。嫌だ!って。(心細さで死にそうになると思う。)

見も知らぬ夫になる男とその見も知らぬ家族。そこに一人放り出されるんですよ。18歳の小娘が。

 

つまり、これは昔の女の子の成長の通過儀礼だったんだなと思いました。(通過儀礼という言葉を使っていいかどうか定かじゃない)。ともかく、女の子はこうやって大人になっていったわけです。

 

これはわたしの印象にすぎませんけど、スズたち、女性陣が、強いはずです。ものすごく過酷なやり方だったと思いませんか?

 

で、現代の女の子はどういう通過儀礼があるのか?(大雑把ですみません)。

たぶん、就職ですよね…?

 

 

 あと、これだけは言っておかねば。

この映画の絵柄が大好きです!

(一回しか見れてないので、どういうシーンか言えませんが)、要所要所、大事なシーンの絵がものすごく洗練されています!詩情豊な表現でした。