りんごの木の花

 最近、夢を覚えていない。せいぜいが夢の中で、「あれ。この夢は何遍も見ている…」と夢の中で不思議がって目が覚める。

 

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下はリンゴの木の花。蕾が開花すると、淡い桃色になる。とてもとても可愛い花。

 

でも、昨日の夢は覚えていた。

 

わたしは楽しかった。下の子のことはわたしの頭からすっかり抜け落ちていた。

下の子が居ないことにハッとする。もう下の子は死んだのではないかと気が気ではない。

わたしは、ステーションの待合室に下の子を探しにいく。もうダメだと思っているが、下の子は、人がぎっちり腰掛けている長いベンチに居た。

下の子は、1、2歳だ。壁を向いてたち膝をしている。拗ねているのかなと思う。彼は、グリーンのスタジャンを着ている。

わたしは名前を呼んだ。振り向いた彼は我が子だった。

彼を抱き上げると、嬉しさで一杯になった。彼を抱いている感覚がわたしの体の隅々にある。

周りの人が驚いているので、お礼を言わなくちゃ、と思うが、わたしは子供を抱きかかえたまま、無言でそこを出た。

その時、わたしは、あぁ、これは夢なんだと気がついた。

そして、グリーンのスタジャンを着ていたのは、上の子のはずで、下の子ではない、と思う。

わたしは、子供に対して何かやましさを抱えているんだな、と考える。けれど、この子は、どっちなんだろう?上の子なのか、下の子なのか、一体どっちだろう?

この子は誰なんだろう?

わたしは、そこで、目が覚めた。