「物じゃなくて、光を見ているんだよ」 美術教師がそう言った。
昔の事だ。今はそんなことを言わないのかもしれない。
咲きはじめたフジを見ながらそんなことを思い出したりしているので、いつの間にかコーヒーも冷めている。
陽の光がフジの間を通り過ぎる。
とても気持ちが良くて、わたしは眠ってしまったらしい。
ぼんやり目を開けると、Rの顔がまじかにある。
「声を出して笑ってたよ。」
わたしは眠りながら、「あはは」と笑っていたらしい…。
わたしは確かに夢を見た。
でも、変だな…。夢にソジュンが出てきたんだよ。
ちょいとばかし、セクシーな夢だよ。
なんで、「あはは」なの?!