キングダム戦国の七雄

燕、楚、韓、趙、魏、斉は、秦に滅ぼされた。

春秋戦国時代の終わりである。

ジン・ティエム監督、脚本。2019年製作。全7話。

 

この中国ドラマは「何故、秦だったのか?」と問う。

何故、覇者になり得たのか?という切り口をシンプルに分かりやすく、描いている。

 

間違っているかもしれないけど、、

春秋時代の国の形態は、大小の邑(都市国家)の連合体だった、、んだと思う。

それぞれの国は利益や、覇権を巡り、バチバチと戦っていた。

天下統一を夢見る王も現れる。

天下統一とは、つまり、、領域国家への変貌なんだと思う、、。戦国時代末期は、邑から領域国家への過渡期だったのかなと思う。

 

国は貴族たちによって支配されていた。この貴族制のような特権階級は、世襲を重ね、領土の広がりに従い、弊害をもたらすようになってきた。

王たちの中には、危機感を抱く者が現れてくる。

このドラマは、政治改革(変法)と特権階級の対立や揺り戻しを、それぞれの気質を絡めた変奏曲で描き上げている。面白かった。

 

一番最初に変法を行った魏の王。

士人という、平民出身の知識人たちを、政治権力の舞台に登用した。魏は、この士人たちの異能異才を使い、覇者になりかけた。

ところが、変法を行った王の子孫は、士人を追いやり、貴族に権力を戻してしまったのだ。

 

秦は士人を大事にした。

ある意味で、平民を権力の中枢に入れるという民主化のために、何代にも渡る専制な賢い王を必要とした。秦だけがそれに成功したのだ。

 

舞台劇のような真正面の画作りも面白かった。

中国は、外の芸術文化の享受に臆するところがない。基礎にあるのはあくまでも中国伝統文化だ。「かつて日本が言われた猿マネ」からはとても隔たったモノを、感じる。

廉価版中国のコピー商品、海賊版とは別な、、媚びないアーティストたちがいる。