この前わたしは、「環魂」「精霊の守り人」ときて、「九州縹緲録」を見たんだ。
「環魂」は面白くて面白くて、次の配信をジリジリしながら待った韓ドラ。アメドラみたいに、夢中にさせるエンターテインメントだった。
余韻によろめき、ウロウロしながら次に見たのは「精霊の守り人」という日本ドラマ。
「おー!日本も頑張ってるやん!物語も面白い!」ま、韓ドラほどではないにしろ、面白い。
7、8才の王子の身体には精霊の卵が宿っていた。化け物扱いされ、父王にも嫌われた男の子をバルサが警護することとなった。
そこそこ楽しんで見ていたとき、
しょぼぼんとしている幼い男の子に向かい、バルサは途方もなく力を込めて言う「生きろ!」と。
原作も脚本も知らないけど、何か、、原作脚本の真髄かもしれないメッセージを熱く訴える。物語を抜け出した演出家の視線は突如、観客に向く。
もちろん、
ダイレクトに分かりやすい演出を必要としている切羽詰まった人もいるかもしれないし、好まれもするんだろう。
これを陳腐だと感じるのはわたしの歳のせいか?
ドラマの最初の方に、心に残る女の子のショットがあるんだ。
全てを失った幼い女の子は泣きじゃくっている。女の子を預かった武侠者は、刺客に対抗できるように彼女を育てなければならない。
厳しい修練の後、並んで歩いてくる2人が写った。
小さな女の子は、武侠者をそっくり真似ている。胸を張り、肩には棒を担いでいた。
カメラが寄って、女の子のバストショットになった。頑張って生きていたことは、このショットひとつで分かるし、意地らしさや可愛らしさもこぼれ落ちる。
こういうショットを撮っているんだから、上に書いた「わかりやすい演出」云々は意図されたものだと思われる。
(ショットなのか、ひと続きのシーンなのかは、よく分からない)。
次に行き当たったのは「九州縹緲録」中国のファンタジー時代劇。(Hulu)
もうね、素晴らしくて、上2つのドラマは消し飛んじゃったよ、わたしの中で!
病弱なアスラが好きだった。わたしは病弱男子に弱い。
心に残っているのは、赤いスモッグに捲かれた親子の馬。短いショットだったけど、茫漠とした意味の中にいた。
中国時代劇ドラマでは、メッセージをストーリーで語ったり、寓意や比喩で見せてくれる。
わたしはこの深さを気に入っている。
中国時代劇ドラマにハマって久しいけど、大体は、父や権力に抗いながら生きる子供たちって物語の型なんだ。
そこには、戦い、生き辛さ、友情といったものが綴られている。
そそ。上の2つも同じ物語の型だよ。
とてもとても古くからある物語の型。
なんで、わたしは、ハマってるんだろう…。