もう20数年前のことだ、チャン・ツィイーは日本で大人気だった。
そのツィイーが少女を演じた。
☝️チャン・ツィイー
劇中でガッツリ「15歳になりました」と言っている。。
ところが、ツィイーは頬がこけて、やつれて見えた。
彼女の表情や動きは、まるで少女のようだ。映画畑の人なので、演技さえちゃんとしていれば、どうにかなると思っていたのかもしれない。
皇太子から逃げたツィイーは、高い塀から落下していく。
ジョウ・イーウェイは彼女を抱き止めた。二人の視線がクロスする。
その瞬間、わたしはツィイーの年齢などどうでも良くなった。素敵な二人だった。
ジョウ・イーウェイ👇
ジョウ・イーウェイは、存在感のある渋い俳優。
その彼が、ハーレクインロマンスのヒーローみたいなイケメン役をやっていた。
もうもうもう、はちゃめっちゃにカッコイイ!
ツィイーのピンチには颯爽と現れる。この颯爽とした偶然に説得力があったのは一回だけで、都合4回も、ピーンチ、颯爽、ピーンチ、颯爽、ピーンチ、颯爽、ピーンチ、颯爽と繰り返される。
いや、ここはもう、夢のような男性に溺れてしまおう!
ハーレクインロマンスに朝廷陰謀ものをかけ合わせたような物語を楽しむためのポイントだ。
リウ・ドゥアンドゥアン。👇
彼は、大王ジョウ・イーウェイの腹心だ。
2人とも低い身分からのし上がってきた武将。貴族制が崩れつつあり、全てを貴族だけで牛耳ることが出来なくなっていた。
彼らは初めて都に来た。
「大王、戦以外でこんなにたくさんの人を見たのは初めてだ!」
まだ若いリウ・ドゥアンドゥアンは都を楽しんでいた。
2人は、そこで始めてツィイーに出会う。
「やぁ、都にはこんなに可愛い娘っ子が居るんだ!」とでもいうようなドゥアンドゥアンの一瞬の笑顔は、妙に心に残る。
また、豪華な馬車に乗った時、彼は始めて、権力に対する野望を抱く。その彼の動作と表情も、妙に心に残った。
ドゥアンドゥアンは、ツィイーへの想いを秘めながら、彼女の侍女と結婚した。彼は、自分の花嫁を前にしながら、ツィイーの花嫁姿を思い出すのだ。
わたしは、この映像を見て始めて、大仰で豪華なツィイーの衣装に合点がいった。彼女の花嫁衣装は、普通とは品格が違っていた。
シンプルな部屋着にナチュラルメイクのツィイーは美しい。なのに、戦さの最中にさえ、大仰なメイク衣装なんだ。
つまり、豪華な衣装は、ツィイーを美しく見せるためというより、彼女がセレブ中のセレブであることの表現なんだなぁと始めて気がついた。
富や権力、男の野望の象徴的な存在という世界観までを表現する、実に力のある衣装デザインなのだった。
「母儀天下」という面白い言葉が出てくる。ツィイーの父親は、これを「母権天下」のように解釈して切り捨てたが、ツィイーは「母が子供を思うように民を慈しめ」という意味だと考える。
しかし、男たちの野望と対立させるためには、ツィイーのキャラは違うなと思う。
そそ、
ドゥアンドゥアンの悲劇は、彼の最後のセリフを受けた大王ジョウの愛情のこもった涙でカタルシスが生まれた。満足したよ。