彼女は遠く離れたところで暮らしている。一度だけ遊びに行った。
こちらに実家があるので、もっぱら訪ねてくるのは彼女の方だ。
その彼女は、バリバリに陰謀論的な日本史を信じている。わたしよりはるかに日本を愛していると思う。
一度だけ、彼女の信奉する「日本史」について話したことがある。
彼女の信念は揺るがなかった…。
なんというのか、とても個人として屹立している人だ。 そして頭がものすごく良い。
昔、オウム真理教事件があって、彼らが宗教にハマっていった訳を時々考えるのだけど、彼らは、なぜだかわからないけど、絶対的なもの、絶対的な幻想、もしくは表徴を求めた…?
彼女の右翼的な傾向は、なにか絶対的なものを希求するその傾向なのではないかとわたしは思う。
多かれ少なかれ、今は、皆が、個人として生きている。
日本的な和という場の支配を拠り所にしている人や、それが嫌な人、仕事を拠り所にしている人、様々だろう。
しかし、この拠り所は壊れやすいのだ。
親友から電話があると、わたしはやろうとしていたことすべてを諦める。
彼女とは、3時間から4時間、電話で話すことになるから。