フロリダ・プロジェクト真夏の魔法

ショーン・ベイカー監督、脚本、製作。2017年作。

 

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「う、うまく言えない…」びっくりしているジャンシーの前で、ムーニーは泣き出してしまう。 なんとか口元を手で押さえようとしているのか、ムーニーのちっちゃい手は半ば口の中に入っている。

わたしは、小さい女の子のこんな泣き方、泣き顔、初めて見た…。可哀想でたまらない。

そしてラストに突入。なんて粋な終わり方…!

 

この映画は、最貧困層が暮らすモーテルを舞台に、マーニーと母親、子供達の夏休みの日々を追った作品。

どうやら、低所得者住宅のようなものにも入居出来ないらしく、一週間決めのモーテルで暮らしているらしい。どう考えても、モーテル暮らしは、アパートなんかより高いと思う。定職についてないからアパートが借りられないのか?

 

マーニーの母親ヘイリーは20歳そこそこらしい。マーニーが7歳だから、14、5歳で彼女を生んだんだと思われる。

 ウィレム・デフォーがモーテルの支配人なんだけど、彼がいろいろと子供達の事やみんなのことを心配していて、あったかい!

子供達が遊んでいるところに変なお爺さんがやって来て、そうしたらペンキを塗っていたデフォーが梯子から身を乗り出して様子を確かめたもんだから、ペンキの缶がバチャーンとおこっちて。アスファルトにぶち撒かれて。(あれどうやって落とすんだろ?)

 

デフォーはヘイリーが売春し始めたことに気がついて、それとなく忠告したりするんだけど、ヘイリーは、その優しさがわからない。

彼女は、娘とおんなじ子供。子供好きの無責任なベビーシッターでしかない。

娘の友達スクーティの母親は、食堂で働いていて、何かとヘイリー親子を助けていたのだけど、子供達の悪事以来、児童保護局に目をつけられることを恐れ、ヘイリー親子と関係を断つ。つまり、ヘイリーはそうゆう事にも頭が回らない。

 

マーニーと仲間の子供達の夏休みは、大人からほったらかしにされているわけで、そりゃあもう、うひゃーつう悪ガキぶり。けれど、ちらほらと悪さに気がついた親は叱ったり罰を与えたりということをしている。まったくのほったらかしはマーニーだけ。

 

 まあ、ラストはああして終わったけど、結局、マーニーは里子に出され、ヘイリーは、職業訓練かなんか受けて、きちんと働くようになって、そいで、マーニーを迎えにいくと。それしかないだろうなあ、と見ている間中、そんなことを考えてた。しかし、あのヘイリーがどこまで子供ために頑張れるのか?かなり不安。