中世の古城。数人の男たちがテーブルを囲んでいる。赤毛の男が愉快そうに笑っている。その朗らかな男は、事件解決のためにシェイマー が呼ばれたことを聞くと、微かに苛立った。
赤毛の男が馬を走らせて、ディナを迎えに来たが、嫌な予感しかない。
烟る谷間の村、雄大な山々、馬上のディナが見上げると、高い木々のこずえの先に水色の空が流れる。
中世の魔法がかかったあやかしの世界に、私は瞬く間に引き込まれていく。
ケネス・カインツ監督、2015年。デンマーク映画。
リーネ・コーべバル原作『秘密が見える目の少女』。
レベッカ・エミリー・サトラップ(ディナ役)。
遥かな昔、ドゥンアーク王国の辺境の村に住む10歳の少女・ディナは、母親から受け継いだ“恥あらわし”と呼ばれる、相手の目を見ることでその者が秘密にしておきたい心の奥にある恥、罪悪感、劣等感を暴くことができる不思議な能力を持っていた。Amazon
映像にとても魅力があってガッツリ引き込まれてしまった映画。
写真の女の子、ディナの瞳には、人の心が写る。恥の意識を見ることが出来る。
彼女の能力テレパスは「おのれの恥を見つめさせる」というもので、キリスト教的な罪の意識ではなく、恥。この感覚がとても面白いと思った。
この映画は子供向けだけど、中高生向けかな?
不義の子どもが虐げられたり、異母兄弟が殺しあったり、突き抜けた悪も存在する。もちろん、ヒロインも魔女として仲間外れにされている。子供が見るにしてはちょっとグリムの原本的なおどろおどろしさがあって怖いんじゃないかと思う。
大人が見る分には、映像の雰囲気を気に入れば、バッチリ愉しめる。
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そそ、この映画の 原題は「シェイマーの娘」です。
この映画にドラゴンは関係ないです。どこをどうしたら「ウィッチ・アンド・ドラゴン」なんて邦題になるんでしょう?
続編も作られました。