DUNE/デューン砂の惑星

「四月は残酷極まる月だ

リラの花を死んだ土から生み出し

追憶に欲情をかきまぜたり

春の雨で鈍重な草根をふるい起こすのだ。」

f:id:knori:20211030040823j:plain

2021年、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、

フランク・ハーバート原作、ハンス・ジマー音楽、

ティモシー・シャラメ主演

 

わたしは、T・S・エリオット『荒地』を思い出した。

映像が作りだした世界観は、詩のようで、

禁欲的な貴族的なシャラメのたたずまいは、美しかった。

 

朝の食卓、

母親と少年は、朝食をとっている。

彼女は、息子にボイスの訓練を強制している。ボイスとは、人を声だけで操る術だ。

静謐な光の中に、突然の咆哮、ボイスが響き渡る。

 

母親の強制と息子のかすかな反抗、それらのあやが折り重なっているシーンだった。

 

f:id:knori:20211030041153j:plain

母と息子☝️

 

逃げる母と息子は、砂漠のど真ん中で、機密服に着替えなければならなかった。

少年は、母親に裸を見られたくない。

母親は、息子に裸を見られたくない。

数年前までは、屈託なかった視線に、気まずさが混じる。

 

誰にでも覚えがあるだろう、ささやかなシーンなのに、新鮮だった。わたしは、はじめてこれを映像で見たような気がした。

 

 

現地人と出会った母親は、脱出する為の乗り物を頼んだ。

しかし、少年は、デューンに残る決断をする。

第二章の幕が開いたのだ。

パート1は、ここで終わった。

 

#

多方面に影響を与えた有名なSF原作『デューン』。

エメリッヒ監督の「スターゲイト」もそのひとつだと言われる。

考古学者のダニエルは、「白人の救世主」扱いをされる。ちょっと茶化してあるものの、まぁ、、植民地主義云々を言われても、しゃぁないところだ。

 

ドゥニ監督は、ここら辺をどうするのか、興味深いな。